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【魔法のレシピ#004】『オープン・トランスポ』- オチを変えることで人と差をつけやすい『シカゴ・オープナー』をプチ改造♠︎

最終更新: 1月3日

sobogaです。

今回は『シカゴ・オープナー』のプチ改案です。オチをトランスポジション(交換現象)に変えています。

この文章は、マジシャンsobogaのYouTubeチャンネルにあげたマジック解説動画を文字起こししたものです。映像でご覧になりたい方は下の動画をチェックしてみてください。

【徹底解説】『オープン・トランスポ』- オチを変えることで人と差をつけやすい『シカゴ・オープナー』をプチ改造 (mov no.004)


この『シカゴ・オープナー』は現象がダイレクトでわかりやすいため多くのマジシャンが演じていますが、オチを変えるのが容易で、他のマジシャンとの差をつけやすい特性を持った作品だといえるかもしれません。


【実演動画】『オープン・トランスポ』- 裏色が変わったと思ったら表面が入れ替わるカードマジック (mov no.004)


原案について


フランク・ガルシア原案の『シカゴ・オープナー』は、『カードマジック入門事典』のp.209に解説が載っています。『カードマジック事典』ではなくて『カードマジック入門事典』です。


原案を確認したい方は、下記のAmazonのリンクからチェックしてみてください。


『カードマジック入門事典』

https://amzn.to/3pMA6RC


技法的には、ダブル・リフトとヒンズー・シャッフル・フォースで、それゆえに入門事典に載っているのかもしれません。


現象としては、選んだカードの裏の色が変わるという変化現象で非常にわかりやすく、視覚的にもインパクトの強い作品です。


ただし、終わり方が微妙で、裏色の変化に続いて表も変わったと言いたいんでしょうが、それぞれ裏色の違う同数、同マークの2枚のカードが示されるという、なんか気持ち悪いというか、なんともすっきりしない終わり方です。


裏色の変化が前半で、表の変化がオチという構成なのですが、オチが前半の変化現象のインパクトを超えられていなく、驚きのピークが作品の前半にあるという問題をはらんでいます。

色が変わるのは理屈抜きに驚けるけど、表が変わって2枚に増えるのはそれなりの理由がなければ、理解しづらくついて行けない現象なんだと思います。少しでも冷静になったときに「なるほど2枚用意してあったのね」に直結することにもなるはずです。

オチの改案が量産されているのはこの辺が理由でしょう。


また、カードの選択方法も、1枚目はスプレッドして選ばせ、2枚目はヒンズー・シャッフル(・フォース)で選ばせるという統一性の無さも問題です。


ヒンズー・シャッフル・フォース自体も、特にヒンズー・シャッフルが国民的な混ぜ方になっている日本人相手には通用しないこともあり得ます。


ヒンズー・シャッフルが、欧米諸国では日常的な混ぜ方ではないからこそ欧米の方々に通用するフォース方法だと思っています。


初めてヒンズー・シャッフル・フォースを見たとき(それこそ、フォースなんて言葉も知らなかった頃ですが)、それでも、「その選ばせ方はいくらなんでも無理があるんじゃ・・・」と思ったのを覚えています。


まあ、いろいろと挙げていくと問題だらけの作品てことになっちゃうのですが、それでも名作と呼べるものだと思うので、問題点は潰して自分なりに作り替えちゃえばいいんじゃないでしょうか。


では、そんな問題点を潰したバージョンのものを、順を追って解説していきます。


ちなみに、セットアップは原案どおりで、ボトム2枚がデュプリケイトで、そのうちの1枚、ボトムの裏色が別の色のカードです。


開始時に裏色のあらため


演技開始時にスプレッドをしてデックの裏色の印象を観客に植え付けています。普通に広げたらボトムの色違いが露見してしまうので、ボトムカードだけ、スプレッドを広げる方向に少しズラしておけばそのカードだけ見せることなくスプレッドできるので試してみてください。


あまり大きくズラすと反対側、手のひらの下からフラッシュしてしまうので気を付けてください。撮影時は、ホンの2mmほどズラしているだけです。若干、力の加減が必要になりますが、小さなズレで十分隠すことができます。


また、ボトム2枚の位置を変えずにシャッフルできて、かつ裏色の印象付けに役立つ方法としてミルクビルド・シャッフルをしています。普通のミルクビルド・シャッフルだとボトム1枚とトップ1枚を重ねる形ですが、今回はボトム2枚以上が左手に残る形でシャッフルしています(実際には2枚以上であればいいので5, 6枚は左手に残っています)。ボトムカードがフラッシュする心配も要りません。


1枚目の選択


1枚目の選択は完全にフリーチョイスです。あ、いや、ウソです。セットアップされたボトム2枚以外であればフリーチョイスです。2枚目選択時のフォースと同じ形に見える方法で選んでもらいます。

サインを残す理由は、視覚的にわかりやすくする効果を狙っているのと、観客も演者もカードを覚えておかなければならないストレスを軽減するためです。数字とマークが重要ではなくなるので確認すらしていません。


また、1段目の現象をいわゆるカード当てとして演じる場合も多いと思いますが、この作品はカードが当たることは1ミリも重要ではなく、変化現象に焦点を当てたいため、セリフでは「カード当てではない」ということは一切言いませんが、動きと流れ(演者もカードの表を確認する)でカード当てであることを否定しています。


1回目の変化現象


サインカードをトップに戻して真ん中辺りでカットすれば、スプレッドしたときに真ん中から別色のカードを出すことができます。


ポイントはテーブル上でスプレッドするのではなく、手の中で少しずつスプレッドしていくことです。


なぜか?もし、テーブル上でスプレッドをして別色のカードを示したのならば、もう一度デックを回収して持ち直し、カットして別色カードをトップに持っていってからターン・オーバーする行為が不自然な動きになってしまうからです。


テーブル上にスプレッドした後の動きで最も自然な動きは、そのまま別色のカードを抜き出して表返して見せる動作だからです。


インパクトを求めてテーブルにバッと広げたくなる気持ちも分かりますが、自然な動きを優先して手の中で広げるようにしています。両手が塞がっているからこそ、示しやすさのために一旦トップに別色カードを持っていったという理由付けにもなります。


また、示すときのダブル・リフトですが、デックの崩れを直す流れでブレイクを取ることもできますが、できる限りもたつきを軽減するために、ブレイクは取らずにそのままストライク系のダブル・リフトをしています(ターン・オーバーした後はブレイクを取っています)。


蛇足かもしれませんが、別色カードをテーブルに伏せて置く動作はラフでぞんざいな動きにしましょう。映像では片手で投げ捨てるように置いています。顔が映っていないため確認できませんが、別色カードを見てもいません。観客に意識して欲しくない箇所があるなら、演者自身がそこから意識を外しましょう。


2枚目の選択はフォース


2枚目のカードはフォースです。1枚目の選択時と同じ動きでボトムカードをフォースしています。先にヒンズー・シャッフル・フォースの問題点を挙げましたが、それよりも1枚目と2枚目の選択方法が同じことのほうが重要なので、もし、どうしてもヒンズー・シャッフル・フォースをするのであれば、1枚目の選択時にはヒンズー・シャッフルで選ばせるべきです。


ドリブル・フォースをするなら1枚目はドリブルで選択させるべきだし、クラシック・フォースをするなら1枚目はスプレッドで選ばせるべきです。


表の変化の前に小芝居が必要


表面の変化に説得力を持たせるために「思い通りにならない」といった感じの小芝居をしています。いわゆるサカー・トリックを成立させているのですが、原案のように突然表面を変化させる場合と比べてそうする"意味"が生まれるため、現象を受け入れやすくなるはずです。


「1枚目と同じように裏の色を変えるつもりが、上手くいかないから表を入れ替える」というセリフを言いながらの小芝居です。


(そこにあるはずのない)サインカードのフラッシュに気を付けながらフォースカードを探したら、1つ手前のサインカードをカルの要領で隠してから(完全にカルしないで少しズラして見えなくするだけ)、フォースカードを指差し、裏面が変化していないことを見せたら、フォースカードがトップに来るようにカットをして裏向きにディーリング・ポジションで持ちます。


オチはトランスポジション


ラストはトランスポジション(交換現象)です。表に返したフォースカードとそのすぐ下にあるサインカードをフリップ・チェンジ?ていうんでしたっけ?それで変化させて、テーブルの別色カードの表を示して表面が入れ替わったと表現しています。他にもいろいろなカラーチェンジの方法があるので、お好みの、得意なカラーチェンジで変化させればいいと思います。


このマジックのオチは「どんな現象にするか?」から考えれば色々と出てくると思います。パッと思いつくだけで5通りの見せ方が出てきたので参考にしてみてください。


  1. テーブル上の別色カードが、フォースカードと同じ表面に変化する。(変化現象)(原案)

  2. テーブル上の別色カードと、フォースカードの表面が入れ替わる。(交換現象)(今回)

  3. テーブル上の別色カードの表面が、いつの間にかフォースカードの表面に変化している。(変化現象)

  4. テーブル上の別色カードの表面が、いつの間にかフォースカードの表面に変化していて、その後裏面が元の色に戻る。(変化+変化現象)

  5. デックからフォースカードが無くなっていて、テーブル上の別色カードがフォースカードになっている。(移動+変化現象)


もっと考えれば他にももっと出てくると思います。まず現象を決めてしまって、そこから表現方法を肉付けしていって、それを実現するための適切な技法を選択して、最適なセリフ・演出を合わせれば完全に自分だけのアレンジが作れると思いますので、ぜひやってみてください。


次回予告


次回は、有名ではない古典作品を発掘してきて、現代版アレンジでゴリゴリに作り変えたカードマジックです。


【徹底解説】『カラー・トランスファー』- 知られざる古典マジック『カメレオン・ペア』を鬼アレンジ


では、また。


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