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はいどうもsobogaです。
今回は基礎技法シリーズのひとつで、ズバリ「デックを揃える」です。
デックを揃えるだけのことを技法のひとつとしてカウントするのもめずらしいと感じるとは思いますが、これも立派な技法です。なぜなら、崩れたデックを揃えるというのは、ひと演技の中でも最も多く行う動作であるし、その仕草だけで素人かどうかが丸わかりになるくらい目立つアクションだからです。
カードマジック初学者の方はひとつの型だと思って最初からきっちりと学びましょう。そして、もし、初学者ではないけど、デックを揃えることなんてまるで意識したことがなく“型なし”になってしまっている人は、今からでも遅くはありません。あらためて「デックの揃え方」を意識してみてください。
Trick Libraryでは、「カードの基礎」の「その他」のカテゴリに分類しています。難易度は[初級]です。
それでは解説です。
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崩れたデックの揃え方ですが、今から5種類のやり方を解説します。技術的にはどれも非常に簡単ですので、完全に手に馴染むまで繰り返し練習しましょう。
ベーシック
まずは、最もベーシックなやり方から解説します。ディーリングポジションに持ったデックの揃え方です。

両エンドまたは両サイドを親指と中指でつかんで、つかんだ指を滑らせることで揃えます。手を動かす回数はできるだけ少なく、3ステップもしくは4ステップで揃えるのが理想です。
3ステップの場合



- 右手で両エンドをつかんで上下をざっくり雑に揃える。
- 左手で手前エンド側の両サイドを強めにつかみ、つかんだ力を保ったまま観客側エンドまで滑らせて、両サイドを一気にきれいに揃える。そのままディーリングポジションで持つ。
- 右手で左サイド側から右サイド側へ両エンドを揃える。
4ステップの場合
3ステップでは心もとなければ、サイドを揃える回数を1回増やして4ステップでもいいかもしれません。




- 右手で両エンドをつかんで上下をざっくり雑に揃える。
- 左手で観客側エンド側の両サイドを強めにつかみ、つかんだ力を保ったまま手前エンドまで滑らせて両サイドを揃える。
- 続いて、左手を手前エンドから観客側エンドへ滑らせて、2回目の両サイドを揃える動きをする。そのままディーリングポジションで持つ。
- 右手で左サイド側から右サイド側へ両エンドを揃える。
テーブル上のデックを揃える
次に、テーブルに置かれたデックの揃え方です。デックを手に取って、揃えてから置くなんてのは問題外ですよ。



どうするかというと、両手の親指と中指で2箇所のコーナーを絞ると大きく崩れていても一撃で揃えることができます。手前の2コーナーでもいいし、対角の2コーナーでもどちらでも構いません。
サイドとエンドを一度に絞る
続いて、再び手に持ったデックの揃え方ですが、ひとつ前の「テーブル上のデックを揃える」理屈を手の上でやるやり方です。


- 右手で両エンドの右サイド側をつかむと同時に、右サイドの3本の指にデックを押し付ける。
- 左手の親指を左サイドの手前エンド側に、人差し指を右手中指のすぐ隣に当てたら、観客側左コーナーに向かって一気に絞り上げる。
1・2、ですね。ベーシックと比べると2ステップで済みます。
デックを回転させる
手の上でコーナーを絞る揃え方に、デックの回転を付け加えたやり方です。観客からの見た目が変わるだけですが悪くはないでしょう。



- 右手で両エンドをつかんだら、観客側へ手首を返して(手の平が演者を向く)デックを立てる。
- 同時に、左手は演者側に手首を返して(手の甲が演者を向く)、親指と人差し指でそれぞれ対角のインデックの箇所をつかむ。
- 右手は離し、左手をディーリングポジションに戻しながら、親指と人差し指で観客側左コーナーに向かって絞ってデックを揃える。
説明の都合上、3ステップになっていますが、見え方は2ステップです。
一瞬、ボトムが演者側を向くので、そのときにキーカードとして覚えることもできますが、マジシャン相手にはやめておいたほうがいいでしょう。「デックを回転させる=キーカードを作る」っていうのはマジシャンには染み付いているものです。
紹介しておいてあれなんですが、個人的にはあまりおすすめはしません。知識として持っている、やれるけどやらないっていうのがいいんじゃないでしょうかね。
右手でつかまない
最後に、右手でつかまないやり方です。


左の親指と人差し指で左コーナーを絞り、手前エンドの崩れは右手の指の甲でトンと叩いて揃えます。
これは、やり方がどうこういう話ではなく、崩れたデックを揃える中で、ブレイクを取っていないだとかシークレットムーブを行っていないことを暗に伝えるやり方です。
特に、マジシャン相手にマジックを見せるときに意識的に使うことが多いかもしれません。片手で揃えたあとにオープンディーリングポジションで持てば完璧ですね。「〇〇してない」なんていうのをわざわざ口にするのは野暮ですからね。
まとめ
はい、以上で解説を終わりますが、デックを揃えるっていうだけでもこれだけいろいろあるわけです。今回紹介したやり方もほんの一部だし、オリジナリティのあるムーブを考えてみるのもありだと思いますし、もっともっと細かく突き詰めてみるのもいいかもしれません。
一見バカバカしく思う人もいるかもしれませんが、もし、あなたがプロマジシャンを目指すのであれば、「デックを揃える」だけに限らず、些細な動き一つひとつをとことん突き詰めて考えてみれば、また違うものが見えてくるかもしれませんよ。
では、また。
参考文献
おすすめカード
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