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はいどうもsobogaです。
今回はカードマジックに限った話でもないんですが、カードマジックにおいても便利な技法であることは間違いありません。技法名は「カウントレスカウント」です。
平たく言うと、カードの枚数などの「数の数え方」の解説なんですが、ちょっと待てと、数字くらい誰でも数えられると思うかもしれませんが一旦落ち着いてください。
例えば次のような場面があったとします。オーバーハンドシャッフルの形でランをして、正確に決められた枚数を数えなければならない場面です。ただ、観客には単にシャッフルをしているだけに見えていて、枚数を数えていることは悟られたくないわけです。そういう場面で、数えることに集中して、頭の中で「1、2、3、4、5・・・」とやってしまったらその雰囲気は確実に伝わってしまいます。
数を数えていることを悟られないための最も効果的な方法は、その作業を観客のほうを向いてしゃべりながら行うことです。
ちょっと待てと、しゃべりながら数を数えるとかそんなことができるのかと思うかもしれませんが一旦落ち着いてください。これがちょっとした訓練でできるようになる可能性が高いんです。ちょっと歯切れの悪い言い方をしたのは、もちろん訓練は必要だし、人によって向き不向きは必ずあるので、これくらいの訓練をすれば、みたいな確かなことは言い切れないってことです。
まあ、とりあえず解説を読んで概念をカジッてみてください。それなりの可能性は感じることができるはずです。
Trick Libraryでは、「技法」の「その他」のカテゴリに分類しています。難易度は[中級]です。
それでは解説です。
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カウントレスカウントの解説
数の数え方ですが、結論から先に言うと、頭の中で数字を数えてはいけません。
「え?」ってなったかもしれませんが、禅問答のような話ではなく、身体を動かすリズムですべてを解決するっていう話です。数えない数え方なので「カウントレスカウント」なわけです。
ランを例に出しますが、1枚だったり、2枚だったり、3枚だったり、少ない枚数だったらわざわざ「1」とか「1、2」とか「1、2、3」みたいに数える必要ないですよね?リズムだけで正確に狙った枚数を取れるはずです。実際にしゃべりながら3枚ランしてみてください。問題なくできますよね?
今度は普通に10枚でしゃべりながらやってみてください。どうでしょう?頭の中で「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10」って数えないと正確に10枚ランするのは難しいんじゃないでしょうか。
これが問題なんです。めっちゃ集中して数えているのは観客に伝わるんですね。数えているかどうかはわからないかもしれませんが「めっちゃ集中してんなーこいつ」っていうのは確実に伝わります。
これを解決するのが、2と3のリズムです。すべての数字を2と3の組み合わせで構成すれば、集中して数字を数えずに正確に狙った枚数を取ることができるようになります。
2と3の組み合わせ方はやりやすいようにしていただいて構いませんが、例としてsobogaの4〜10の組み合わせ方を挙げておきます。
「4~10」の組み合わせの例
- 4:2+2
- 5:3+2
- 6:3+3
- 7:2+3+2
- 8:3+2+3
- 9:3+3+3
- 10:3+2+3+2
今は解説の都合上「ワンツースリー」とか「ワンツー」とか言ってましたけど(※1)、実はそれすら必要ないです。よく考えてみてください。3枚くらいまでは数えずできましたよね。すべてはリズムです。8枚だったら「タンタンタン、タンタン、タンタンタン」ってリズムを感じればいいんです。「タン」でも「トン」でも「パン」でもなんでもいいですけど。
念の為に補足しておきますが、実際には頭の中で「タン」も言わないですからね。身体動作をリズムで感じているだけです。
完全にリズムが身体に染み付いてしまえば、セリフを言いながら、しゃべりながらでもできるようになるはずです。今のは「タンタンタン、タンタンタン、タンタンタン」で9枚です。「3・3・3」。ほら?今、9枚数えるのも「3・3・3」のほうが簡単でしたよね?(※2)
今回はランを例に挙げましたが、数字を数える様々な場面で応用できます。例えばトップから10枚をパッと数える場面があったとして、1枚1枚数えるのではなく、「3、2、3、2」ってやれば1〜10まで律儀に数えるよりも、正確にすばやく、しかも数えているように見えずに数えることが可能になります。
数を数える場面においては絶大な効果を発揮する手法なので、ぜひ活用していただければと思います。
※1 解説動画の中では、4~10の組み合わせの説明で、2と3の組み合わせを「ワンツースリー」や「ワンツー」と実際に口に出して説明している。
※2 解説動画では、「セリフを言いながら、しゃべりながら~」を言いながら9枚カウントする実演を行っている。
まとめ
はい、いかがだったでしょうか。もしかしたら難しく感じた方もいるかもしれませんが、実際にやってみないことには実感できないタイプの技法なので、まずは試しにやってみてください。
僕は台本を書くタイプのマジシャンで、とはいえガッチリ書いて一言一句違わずしゃべるわけではなくて、基本的には演技の流れとキーワードが書かれている感じの台本なんですが、このカウントレスカウントを使う場面に関してはセリフをきっちり決めて、セリフのリズムとカウントのリズムを作って練習をしています。
リズムさえ身体に染み込ませてしまえばほぼ無意識で行える技法ですので、これの有効性を感じた方はぜひ習得してください。
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