【魔法のレシピ #009】『オーバーハンド・シャッフル』 – まずはこれから!カード入門の「基本のキ」マジシャンだったら寝ててもできなきゃおかしい最初に覚えるシャッフル♠

Text by magician soboga

目次

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はいどうもsobogaです。
まずはこれから!っていうことで、最も基本的なカードの混ぜ方である「オーバーハンド・シャッフル」の解説です。

Trick Libraryでは、「カードの基礎」の「シャッフル」に分類しています。難易度は[初級]です。

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「マジシャンだったら寝ててもできなきゃおかしい」って、タイトルに付けましたけど、僕は寝てたらできないというかやらないというかやりたくないですけどね。まあ、でもそれくらい、マジシャンなら何千回、何万回と繰り返して手に馴染んだシャッフルなんじゃないでしょうか。

今回は、やり方と技法の性質について解説します。
特に、マジック初学者の方にとっては重要な基礎となるものです。最初で変な癖がつかないようにしっかりと学んでおきましょう。

では、解説をどうぞ。

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オーバーハンド・シャッフルのやり方

オーバーハンド・シャッフルは、右手に保持したデックから、トップの数枚ずつを左手に受け渡していき、カードの並びを入れ替えていく混ぜ方です。

日本でおなじみのこの混ぜ方が縦切りだとしたら、同じことをデックの向きを変えて横切りしているだけですね。

具体的には次のようにやります。

デックの持ち方

ディーリング・ポジションに持ったデックの右サイド付近を、右手の親指と中指でつかむと同時に左手でデックを回転させて、

ほぼ90°くらい(正確には80°〜85°)に立てて右手で持ちます。
イン側エンドの右コーナー寄りに親指。アウト側エンドに中指、薬指の2本。小指はシャッフルの邪魔になるのでどかしています。で、人差し指は右サイドの上に添える感じです。

受け取る左手はこういう形。
すべてのカードを受け取った最終的な形がこれで、シャッフル中も親指が動く以外はこの形を維持します。

デックのアウト側左コーナーが人差し指の第一関節あたり。イン側左コーナーが手のひらの上に乗っていて、イン側エンドに小指。親指はトップに添えている状態で、中指と薬指でボトムを支えています。

オーバーハンド・シャッフル中は、何があってもこの形を崩さないでください。マジック初学者の方は、今日からこの状態で寝るくらいの気持ちで。

シャッフルのやり方

左手から右手にデックを持ったら、一旦、左手最終形態の位置にデックを収めてください。これがシャッフルのスタートポイントです。ここからシャッフルし始めます。

左手の親指を、右手から左手に渡したい分量だけ右サイドのエッジに当てて、左右の手を縦に引き離せばその分だけのパケットが左手に残ります。これで1回分のシャッフル完了です。

2回目以降も同じことを繰り返しますが、それ以降は、左手のパケットと右手のパケットが同じ角度だと左手パケットがシャッフルの邪魔になるので、左手全体を内側に倒して、左手パケットと右手パケットが45°〜50°くらいの角度が付くようにすればスムーズに技法を行えるでしょう。左手パケット自体の水平に対する角度は30°くらいですかね。

これを左手にすべてのカードが渡るまで繰り返します。

左手で動いているのは親指だけです。

右手パケットが近付くときに離す

右手パケットが左手に収まったら右サイド・エッジを押さえる

押さえた形のまま、右手パケットが離れたら左手パケットを1つにまとめる

という流れです。簡単ですね。

右から左に渡す分量は、一度のオーバーハンド・シャッフルが7〜10回で終わるくらいが自然な感じがするのではないでしょうか。

ラン(ランニング・シングル・カード)について

ランとは、オーバーハンド・シャッフルとは違い、右手から左手に複数枚をまとめて渡していくのではなく、1枚ずつ渡していくことをいいます。

通常のオーバーハンド・シャッフルでは、左手親指をデックの右サイド・エッジに当てることで複数枚を引いていきますが、親指をエッジではなく、トップカードの真ん中あたりに当てることで1枚だけ左手に引くことができます。その原理を利用して、1枚ずつシャッフルしていくのがランです。

正確にいえば混ざってはいなく、並び順が逆順になっていくだけなのでシャッフルではないのですが、このランを利用したトリックやマジックはたくさんあるので、しっかりできるようになっておくべきでしょう。

「ランニング・シングル・カード」という名称は、「ロベルト・ジョビーのカード・カレッジ1巻」に記載されているもので、海外は知らないですけど、日本のマジシャンは単に「ラン」て言いますね。「ランする」とか。「最初の5枚はランして、残りを普通にシャッフルする」みたいな言い回しです。

技法の性質

オーバーハンド・シャッフルの性質

オーバーハンド・シャッフルってカードの動き自体は、回数がちょっとばかり多いカットと同じです。

そう考えると、混ざり具合としてはそこそこだなあって思いますよね。これ何回繰り返しても一切混ざらない箇所がありそうですもんね。

実際にちょっとやってみてください。
デックの上半分を黒いマーク、下半分を赤いマークに分けて並べて、できるだけ混ざらないように意識しながら、一度に7、8回のオーバーハンド・シャッフルを十度繰り返してみてください。

左の写真が混ぜる前、右の写真が十度のオーバーハンド・シャッフルを繰り返したあとです。なかなか酷いですよね。ほとんど混ざっていないといえます。

もちろん、できるだけ混ざらないように意識してやった結果ですけどね。
でもですよ。つまりこのことは、「オーバーハンド・シャッフルというシャッフル方法は、かなりマジシャンにとって都合がいい」ということがいえると思いません?

冒頭パフォーマンスの解説

YouTubeの解説動画では、この性質とキーカードの原理を組み合わせたちょっとしたトリックのパフォーマンスとその解説をしています。

これがオーバーハンド・シャッフルの性質です。

ランの性質

続いてランの性質です。

ランの性質には、リバース・カウントと同じ性質があるということです。
ちなみに、リバース・カウントというのは、A、2、3、4と4枚のカードがあったとして、1枚目を左手から右手に、2枚目を1枚目の上に、3枚目を2枚目の上に、4枚目を3枚目の上に数えると、並びが逆順になる数え方のことです。

びっくりするくらい当たり前のことをびっくりするくらいゆっくり説明しましたが、マジシャンたるもの、この当たり前のことを当たり前としてちゃんと認識しておかなければなりません。いざというときに「えっと、どういうことだっけ?逆順になるからこうか?」なんてやってる場合ではないですからね。

4枚のカードを分かりやすく表向きにしています。本来は裏向きです。

で、ランのことですが、例えばですが、この性質を使えば、ボトムからA、2、3、4というセットアップが必要なトリックがあったとします。これをこのまま箱から取り出してマジックを始めるのではなく、最初にシャッフルしてから演技したいじゃないですか。そんなときにランを使います。

この場合はボトムからA、2、3、4とセットしたいので、逆順でトップに4、3、2、Aと置いて箱に入れておけばいいことになります。
箱から取り出して、最初の4枚をランして、残りを通常のオーバーハンド・シャッフルすれば、目的のセットアップが完了しますよね。

今の例では、トップの4枚をボトムに逆順にして移しましたが、逆もしかりです。ボトムからトップに移したければ、シャッフルの最後に目的の枚数をランすればいいですね。
つまり何が言いたいかというと、ランとオーバーハンド・シャッフルの組み合わせを2回やれば、トップにしろボトムにしろ元通りに戻せるので、最初から目的のセットアップをしておくのもあり、ということです。

ひとつだけ注意点ですが、気を付けないとランをするときに、めちゃくちゃ数えてる感が出やすいので、15枚とか20枚とか多い枚数はやめておいたほうがいいですよ。急に無言で集中して混ぜるじゃん、ていう。なんか大事な局面でした?っていうね。10枚でもあやしいところなので4、5枚までに留めておくのが無難なのではないでしょうか。

まとめ

以上、オーバーハンド・シャッフルの解説でした。
今回は、やり方と性質の解説だけに留めておきました。最初は、オーバーハンド・シャッフル型のフォールス・シャッフルやコントロールも一緒に解説しちゃおうかと思っていたんですが、話がとっ散らかりそうだったので、シークレットムーブ系は別で書くことにしました。

でもまあ、個人的には、オーバーハンド・シャッフルのことを深く考えることもなくなっていたので、基礎を見つめ直すいいきっかけではありました。この解説を見てくれたみなさんも、今一度、ご自身のオーバーハンド・シャッフルを見直してみてはいかがでしょうか。

では、また。

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