【魔法のレシピ #010】『リボン・スプレッド&ターン・オーバー』 – 最強のコスパ・フラリッシュ!実は簡単なのにそうは見えないカードの広げ方♠

Text by magician soboga

はいどうもsobogaです。
今回はタイトルの通り『リボン・スプレッド』の解説です。

タイトルに「最強のコスパ」とありますが、一般の方にとってはスゴい技術に見えて、実は簡単なテクニックなのでそんなタイトルを付けました。

「Trick Library」では、「カードの基礎」の「スプレッド」と、「フラリッシュ」の両方のカテゴリに分類しています。難易度は[初級]です。

では、さっそく解説を見ていただきましょう。

基本のやり方

まずは基本のやり方です。

デックの持ち方

持ち方ですが、利き手でエンド・グリップに近い持ち方になります。が、人差し指の位置がエンド・グリップとは違いますね。

深めのエンド・グリップ(カバード・エンド・グリップとかクローズド・エンド・グリップとか言ったりします)でデックを掴んで、そのまま人差し指を左のエッジの真ん中に当てます。

ポイントは人差し指の指先がボトムカードに届く当て方です。
エンド・グリップが浅すぎると人差し指がボトムカードに届かない人もいるかと思うので、しっかり深く持ってください。

しっかり深く持って、人差し指の伸縮具合で位置調整をする、が基本です。

スプレッドのやり方

スプレッドの開始地点にデックを置いたら、人差し指を中心にしっかりとデックをテーブルに押し付けます。

そこから、スプレッドの終了地点に向けて、まずはまっすぐ手を移動させてみましょう。
デックは人差し指でテーブルに押し付けたままです。押し付けたまま、デックを移動させるというよりは、手を移動させることで勝手に広がっていくイメージです。

よくある間違い

初めてのスプレッドでよくある間違いが、これもう何百人と見てきてホントに多いんですが、スプレッドの方向に水平に押して広げようとする間違いです。

水平に押して広げるイメージをまず捨てていただいて、テーブルに押し付けて引き伸ばすっていうイメージを持ってもらえればいいのかなと思います。

スプレッドには、「広げる」という意味と「伸ばす」という意味があって、リボン・スプレッドは「伸ばす」に近いかと思います。
「Spread butter on bread」「パンにバターを塗る(塗り伸ばす)」になりますが、その「スプレッド」の意味がより近い気がします。「デックをテーブルに塗り伸ばす」感じです。自分の手がバターナイフのイメージで。

人差し指以外の指はどうすれば?

スプレッド時にデックをしっかり掴んだままでいるとこうなります。
なぜこうなるかというと、しっかり掴んでいるおかげで一枚一枚のカードの指離れが悪いので、結果、ほとんどのカードを終了地点まで持ったままになってしまっているということです。

これを避けるには、スプレッド開始時に人差し指以外の力を抜いて、デックに添えているだけ、触れているだけという状態でやれば上手くいくはずです。

アーチ状にスプレッドする

まっすぐスプレッドできるようになればこれは簡単です。
アーチ状にスプレッドしたければ、イメージするアーチ状のラインに沿って手を滑らせればそのとおりに広がります。

ポイントはデックの向きです。
引きたいラインの進行方向に対してデックを向け続けていれば、アーチ状だろうがS字だろうがどんなラインでもスプレッドできるようになります。

基本とは逆方向のやり方

利き手が右手なら、右手で持って左から右にスプレッドするのが基本です。
ここでいう逆方向は、右手(利き手)で持って右(利き手側)から左(利き手の反対側)にスプレッドすることです。

この場合は、主役の指が中指に変わり、デックの持ち方も変わります。
まず、持ち方は、基本のときは短いエッジを持つのに対してこちらは長い方のエッジを持ちます。中指をエッジのちょうど真ん中に当て、その反対側に親指が来るような持ち方です。薬指と小指は中指の隣に添えているだけ。人差し指はデックの上に添えているだけです。

この状態で、利き手側から利き手の反対側に向かってスプレッドします。
テーブルに対して押し付けるなどの、動きの理屈は基本のやり方と同じです。

動きをよく観察すると、スプレッドの前にはデックの上に乗せていただけの人差し指が、スプレッド時にはデックをテーブルに押し付けるサポートをしているのがよく分かります。

ちなみに、逆方向のスプレッドは手首の可動域の制限を受けるので、真横のスプレッドはだいぶ窮屈に感じると思います。どんな場面で使うかによりますが、自分の前方から手前への斜めのラインを描くようにスプレッドすると楽に感じるでしょう。

利き手ではないほうでもできるようにしよう

利き手で基本のやり方と逆方向のやり方ができるようになったら、今度は利き手ではないほうの手でも同じ様にできるように練習してみましょう。必須ではないにしてもできるに越したことはありません。
例えば、利き手に何か別の道具を持っていて塞がっている場合でも、わざわざ持ち替えることなくスプレッドできれば演技の表現力は上がるはずです。

ちなみに、利き手ではないほうでできて何かいいことあったかなと考えて、すぐに思いついたのが「トライアンフ」ですかね。以前に上げたトライアンフの実演でもやっていましたね。半分が表向き、半分が裏向きでシャッフルする場面で、それぞれのパケットをスプレッドしてあらためるときに、両手で同時に逆方向のスプレッドをしています。

ターン・オーバー(フリップ)のやり方

これをターン・オーバーとかフリップと呼びます。もちろん解説しますが、先に言っておきます。乱発厳禁です。理由は、やりすぎると見ている人間をイラつかせるからです。
それを踏まえて覚えてくださいな。

まずスプレッドします。そうしたら、開始位置のカード(一番下のカード)を、本をめくる感じで立ち上げると、となりのカード、そのとなりのカードと次々と立ち上がっていきます。それだけです。
そして、カードが立ち上がってできた山の頂点を指やカードで軽く押さえれば、その頂点を好きな方向に移動させることができます。途中で分けたり、元に戻したりも自由自在です。

見た目よりもずっとずっと簡単です。実際、スプレッドすることよりも簡単に感じるはずです。やってて楽しいですしね。

以上が「リボン・スプレッド」の解説です。

どんな場面で使うか?

「リボン・スプレッド」および「ターン・オーバー」を使う場面をお話しておきます。

技術をひけらかすような派手なテクニックを総じて「フラリッシュ」と呼びますが、リボン・スプレッドも広げた後のターン・オーバーも、どちらも技術的には易しいフラリッシュに分類されます。
フラリッシュについてWikipediaには「トランプを用いた曲芸的な技」と説明がありますが、リボン・スプレッドとターン・オーバーでは少し性格が異なります。

「リボン・スプレッド」はあらゆる場面で使える

リボン・スプレッドはフラリッシュ的要素以上に、動き自体に意味があります。
観客にカードを選んでもらうときや、裏面や表面などデック全体をあらためるときなどなど、あらゆる場面で嫌味なく使えます。

「ターン・オーバー」はやりすぎ注意!

それに対してターン・オーバーは、解説の最後でも話しましたが、実際の観客の前でこの手のものを乱発すると確実にウザがられるので要注意です。

冒頭の実演映像のアレは当然視聴者の目を引くためのもので、現場にあそこまで乱発するマジシャンがいたらまず止めます。「やめとけ」と。
覚えたてだとやりたくなる気持ちもわかりますが、ここぞ、というときだけにしてください。

実際の使用例としては、解説の中にも出てきた「トライアンフ」のフィニッシュで使っています。下の動画を参考にしてみてください。(01:07からの流れ)

マットの話

最後に、クロースアップ・マットの話をして終わります。

タイトルでも解説でも「簡単」、「易しい」と繰り返してきましたが、マットが無くなると途端に難しいテクニックになります。

押し付ける力の加減やスピードで「リボン・スプレッド」はできなくはないですが、マット使用時に比べてやはり難しくなります。
そして、マットのような摩擦がなければ「ターン・オーバー」は不可能です。

リボン・スプレッドに限らず、カードマジックをやる上ではクロースアップ・マットは必須のものだと思うので、もし持っていない初学者の方が居ればこれを機会に入手することをおすすめしておきます。

値段とクオリティのバランスが取れた、コスパの良いクロースアップ・マットを紹介しておきます。
厚みの違う「エコノミー」、「スタンダード」、「デラックス」と3種類あって、動画で使っているものはスタンダードです。他の2つは触ったことがないのでなんとも言えませんが、これより薄いエコノミーはちょっと心もとないし、厚手のデラックスは、練習用としてはオーバースペックな気がしてスタンダードを使っています。

まあ、こういうものは実際に触ってみないことにはわからないものだとは思うので、参考までにどうぞ、といったところですね。

【Murphy’s Close-up Pad (クロースアップマット) ミディアムサイズ】
https://www.gin-magic.com/shopdetail/000000004409/

まとめ

今回は「リボン・スプレッド」と「ターン・オーバー」の解説でした。
ターン・オーバーはともかく、リボン・スプレッドは使用する場面が多岐に渡るし、思っている以上に観客ウケの良いテクニックですので、カードマジックをやる上で必須の技法といって過言でないと思います。しっかりと身に付けてください。

また、この解説動画はWeb版「魔法のレシピ」の「Trick Library」にまとめています。動画を探すときにぜひ役立ててください。

【Trick Library – リボン・スプレッド&ターン・オーバー】
https://www.recipeofmagic.com/basics/ribbon-spread/

ではまた。

Copyright © 2021 magician soboga. All Rights Reserved.    |    Contact    |    Privacy Policy