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2021年の8月に、技法の解説動画をまとめた『Trick Library』(トリックの書庫)を、Webサイト『魔法のレシピ』内に立ち上げた。
以前は技法の解説はやらないなんて言っていたが理由は2つあって、すでにいろんな技法解説動画が存在していて、いまさらsobogaがやっても仕方がないか、なんて思っていたのが1つと、やり始めたが最後、途方もなく時間がかかるのが目に見えていたからというのがもう1つの理由。後者の理由がなかなか踏み出せなかった大きな理由だろう。
もっともらしく理由をつけてみたが、ただただ面倒だったのだ。
ただ、調べてみて、技法解説を包括的かつ体系立ててまとめているYouTubeチャンネルやWebサイトが日本には存在しなさそうだということはわかっていた。もちろん技法解説をしているYouTubeやブログがたくさんあることもわかっている。ただし、それらのサイトのほとんどが、再生回数やビューを稼げる、多くの人が興味を持ちやすい技法ばかりを解説していて、例えば「カードマジック事典」の代わりになるかといったらそうはなっていない。おそらくだが、当初はカードマジック事典などの代わりを目指したものの、モチベーションを保てずに途中で断念したサイトも相当数あるような気がしている。
コロナ禍が後押しした
技法解説の開始を後押ししたのは新型コロナウイルスの蔓延だ。どう見ても店を存続させることに注力するよりも、別の、今しかやれないことを探したほうが理にかなっているだろうという判断から、西麻布に作ったマジックバーを早々に閉店させた。
日本中が巣ごもりを始めたタイミングで、マジシャンやマジシャンを目指す人間がやれることは、いつかまた戻ってくるであろうステージで輝くために、今は家で粛々とテクニックを磨いたり作品を作ったりといったクリエイティブである。基本的にマジシャンという人種はオタク気質な人間ばかりなので、コロナ禍の生活はそれまでとそんなに変わらなかったりするのだけれども、それでも表に出て行って金を稼げないのはキツいとしかいいようがなかったりもする。
謎のYouTuber的思考に囚われた
そんな理由から技法解説動画の作成に踏み切ったわけだが、これまた途方もなく見積もりが甘かった。最初の4本で心が折れた。なんとか13本ほど動画を作ったところでやってられなくなり、14本目の動画を投稿するまでに9ヶ月の空白が存在する。
原因はハッキリしていて、謎のYouTuber的思考に陥ってしまったからだ。何が言いたいかというと、本来この取り組みにYouTubeのチャンネル登録者数だとか再生回数だとかはなんの関係もないはずだ。動画の置き場としてYouTubeというプラットフォームが最適だった、ただそれだけだったはずなのに。それにも関わらず、動画を投稿しても登録者数などの数字が伸びないことにイライラしてしまったのだ。
我ながら浅はかな考えとしか言いようがないが、そうなってしまったのは仕方がない。やっと謎の思考から開放されて再び取り組み始めるのに9ヶ月もかかってしまった。
YouTube上の解説動画を検索するための専用Webサイト
まだ誰もやっていなさそうなのがこれで、技法解説を包括的かつ体系立ててまとめているYouTubeチャンネルやWebサイトが日本には存在しなさそうだということ。
カードマジックを演じるために必須と思われる技法だけでも数十以上あるので、それらをすべて解説した上で、その動画を探しやすくする仕組みを作った。
YouTubeにはプレイリストを作って動画をある程度まとめることができる機能があるが、それでもそこから探すのはなかなか面倒なもの。なので便利な動画検索用のWebサイトを作ったほうが良いだろうと結論した。技法の名前で検索したり、カテゴリから探したりといったことができるWebページだ。
ざっくり次のようなことができるようになっている。
【技法名で検索】
【カテゴリで検索】
カテゴリから検索することができる。
カテゴリの一部を紹介するとこんな感じだ。
カテゴリの一部
- カードの基礎
- グリップ
- ディーリング
- シャッフル
- カット
- スプレッド
- その他
- 技法
- ブレイク
- コントロール
- フォールスカット
- フォールスシャッフル
- ダブルリフト
- パス/シフト
- フォース
etc…
【難易度で検索】
難易度は、[初級][中級][上級]の3つに分けて設定した。
難易度単体でも検索できるし、技法との組み合わせ(「ダブルリフト」の[中級]とか、コントロールの[初級]みたいな)検索も可能である。
今後の課題
まだ、これでも足りないと思っている。解説動画の本数がそれなりに増えて、いろんな角度から検索ができるのは確かに便利だけど、今の時点ではユーザーの主体性に大きく依存している。つまり、探す人が何を探すのかわかっていなければ探しようがないのだ。
今後の課題としては、いわゆるカリキュラムの作成だ。例えば、カードマジックをゼロから学ぶとして、まずは絶対に習得しなければならない必須の基礎技法をパッケージして、「ここから学べば問題ないよ」という学習コースのようなものをWeb上で示せれば、かなり初学者に優しいサイトになるだろう。
そして、初級コースを習得したら中級コース、その次は上級コースに進む、みたいなことができればと考えている。これこそが「包括的かつ体系立てたまとめ」という気がしているので早々に取り組むつもりだ。
いつ、と明言せずに”早々に”などという言葉を使って濁しているのは、うん、まあそういうことだ。気長に待ってほしい。作ることは確定しているので、見込みがたった段階でこのブログなりTwitterなどでお知らせするつもりだ。
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