『フォールスダブルカット(改)』不自然さとあやしさとコントロールしてる感を払拭した、ちゃんとカットしているように見えるダブルカット♠【魔法のレシピ #29】

Text by magician soboga

目次

Advertisement

はいどうもsobogaです。
今回は「フォールスダブルカット(改)」の解説です。前回の「フォールスカット(オンハンド)」から外したやつです。

そもそもダブルカット自体を解説するかどうか迷ったんですよね。多くのマジシャンがやっている、よく見るダブルカットですね。それがどっからどう見ても「普通のカット」に見えないのが最大の理由で、最初はフォールスカットの解説候補から除外していました。

前回の記事でも書きましたが、解説するかどうかを、観客からの見え方として普通にカットしているように見えるか?という基準にして決めていたんです。

普通に、本当にカットをするときに、ダブルカットのようなカットは絶対にやらないんですよ。僕の目にはカットをしているというより、なんかコントロールしているというかあやしいことをしているようにしか見えないんです。

原因はハッキリしていて、そうする必要がないはずの場面で、両手でデックを覆ってしまっているのがひとつ。もうひとつは、パケットを、見ている人間の視界にないボトムからトップに上げてくるという不自然さというかアンフェアな感じですかね。全体を通して、公明正大さが著しく欠如している印象を受けます。

そんな訳で、当初は解説するつもりがなかったんですが、ちょっと待てと。原因がハッキリしているんだから、その一つひとつを真逆にしてみたら「フォールスダブルカット(改)」ができるかも、と思っていろいろ試してみた結果、納得のいく形になったので、今回はそれを解説することにしました。

YouTubeの冒頭のパフォーマンス映像でご覧になれますが、見え方としては、ディーリングポジションに持ったデックのトップ側から、適当な量のパケットを右手で超オープンなエンドグリップで取り上げて、それを左手の残りのパケットの下に回すというカットを2回行うというものです。

どうですかね?手の上で行う普通のカットとしてもありなんじゃないかと思うんですがどうでしょう。少なくとも、よくあるダブルカットに比べたら遥かに正々堂々とカットしているように見える気がしています。

ということで、
Trick Libraryでは、「技法」の「フォールスカット」のカテゴリに分類しています。難易度は[初級〜中級]です。

Trick Libraryを見る >>

それでは解説です。

Advertisement

やり方の解説

それでは細かいステップに分けて説明していきます。

1. トップから3/4をスイングカットして、残り1/4を重ねるときに小指でブレイクを取る

2. 右手の親指がブレイクの上下のパケットにまたがるように当て、トップから2/3を超オープンなエンドグリップで取り上げる

3. 左手の位置は動かさず右手を動かすことで、右手パケットを左手パケットの下に回す。ブレイクは右手親指で保持し続ける

4. 右手パケットの上に乗った左手パケットを、右手人差し指で押さえてデック全体を右手で持つ

5. 右手はブレイクを保持しつつ超オープンエンドグリップで持ったまま、左手でデックを揃える

6. デックを左手ディーリングポジションに持ち、ブレイクを左手小指に移す

7. ここでブレイクを保持したままリフルをしたりデックを揃える動作などをして、次のカットアクションまでの間を作る

8. ブレイクから上のパケットを右手で超オープンエンドグリップで取り上げて、右手を動かして左手パケットの下に回したら、デックを揃えて技法を完了する

こんな感じです。細かい動きを説明するために8ステップに分けて解説しましたが、前回解説したフォールストリプルスイングカットと同様に、スムーズに行うとさらっと終わるフォールスカットです。

今説明した手順は、デック全体を元通りにしようとしているため、最初にスイングカットが入っているので、正確に数えるとトリプルカットですね。例えば、ブレイク下のカードをトップコントロールするだけだったらダブルカットだけで済みます。

ポイントは3つ。

デックを両手で覆わない

デック全体を両手で覆う場面が、デックを揃える一瞬以外にはないようにするっていうのがひとつですね。そのために、深いエンドグリップを排して超浅いエンドグリップのみを使っています。

下から上へではなく上から下へ

もうひとつは両手の動きです。
左手の位置を動かさずに右手でパケットを下に回すことで、観客に対してパケットの右サイドがはっきりとオープンになって、かつ2つのパケットが重なり合っていくところをしっかりと見せられます。

デックを揃える動作で間を置く

最後のポイントは、カットとカットの間にデックを揃える動作で間を置いていることですね。これはフォールストリプルスイングカットと同じ思想です。最後のカットをダメ押しのカットに見せたいのであえて間を取っています。もし、連続で行なって複雑さを演出したいのであれば間を取る必要はないかもしれません。個人的には、元のダブルカットの印象に近づくので「ウッ」てなりますけどね。まあこればっかりは好みの問題なので好きなようにやったらいいと思います。

まとめ

以上、フォールスダブルカット(改)の解説でした。
記事のタイトルにもしましたが、「不自然さ、あやしさ、コントロールしてる感」をだいぶ払拭できたダブルカットになったんじゃないでしょうか。

ただし、この技法は、この記事を作成する段階で思いついたもので、まだ実際に現場で使ってみていないので妄想ベースです。概ね大丈夫だろうなとは思っていますが、実践してみるまでは絶対なことは言えないのでそこはご理解いただいた上で使ってください。

ではまた。

参考文献

おすすめカード

関連記事

Advertisement

Copyright © 2024 magician soboga. All Rights Reserved.    |    Contact    |    Privacy Policy